THE LAST STATION (2009 英 独 露)


 

(邦題:終着駅 トルストイ最後の旅)







はじめに謝罪しておきます。

トルストイ文学の題名こそ知れど、読んだことがありません。

さらに本人が聖人として当時から異端のスーパースターだったことも

妻ソフィヤが世界三大悪妻として名高いことも

全く知りませんでした。

ですから、私のような者には映画を見る資格がないと

仰る方も居ることでしょう。

しかしこの映画には吸引力があり、そんな私でも、

観ていてどんどん引き込まれるドラマティックな展開と

スクリーンに拡がるロシアの美しい自然に魅せられ、勉強にもなりました。

トルストイ役クリストファー・プラマーと

ソフィヤ役ヘレン・ミレンはこの作品でアカデミー賞にノミネートされたそうです。

いやはや、ソフィヤの激しいこと。

色々なテーマがこの作品には込められているでしょうが

「壮絶スペクタクル夫婦喧嘩映画」と銘打っても良いのではないでしょうか。

それくらい夫婦のぶつかり合いが凄い!それも愛ゆえ…。

でも、このソフィヤが、可愛いんです。

常に家族を思い、だからこそ、暴走してしまう。

美しく若き秘書、ワレンチン(ジェームス・マカヴォイ)が

そんなソフィヤを放っておけなくなる、伏線としての恋愛模様を通しての

心理描写も見事でした。

駅は様々な人間たちのドラマがある場所。

偉大なる文豪トルストイ(読んでないのに言う)が最後たどり着くというのもまた

しみじみと考えさせられます。

話の筋も、映像も(特にソフィヤが水没するシーンが美麗)、素敵でしたが…一つだけ…



せっかくロシアの話なのに、全編英語というのがなあ〜



監督や役者が英語圏の人だから?仕方ないのかもしれませんが。

やっぱりフランス映画でもイタリアでもドイツでも、その国の言語で観たい(聞き取れないけど)。

温度を感じなかったのです。ロシアで寒い設定なのに、どこか架空の感じが…

色々文句を言いましたが素人の戯言なのでお許しください。

たまたまTVでやっていたのを録画したのですが、全体的にはとても魅力的な作品でした!

監督マイケル・ホフマンが近年制作した「モネ・ゲーム」も観たいと思っています。









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