叫びツアー
べ、ベーコン展がやるですって?「30年ぶり」に??(←こういうのに弱い。)
そして、巷ではベーコンファンの方たちが沸いていて、美術手帖3月号、芸術新潮4月号でもベーコン祭りが。
学生時代はじめて図録で見たとき、何か凄いぞ、と「感じた」事を鮮明に覚えています。彼の絵画は「神経組織に訴えかける試み」なのだそうです。
図録でここまで感じさせる絵画。これは生で観なければ。もちろん姉も大いなる興味を示し、食いついてきました。

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| 銀座線から日本橋で東西線に乗り換えて。
日本橋の駅構内でベーコン告知発見。
竹橋ではフランスの宝、一角獣の告知。
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曇天の竹橋の向こうにに近代美術館。
良いです、気分上がります! イギリスっぽい天気(!?)
皇居が近いので走ってる方もいました。
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気合いを入れすぎて様々な失敗をしました。
切符を届けてくれた優しいお兄さん。おのぼりさんの私達をいつまでも心配して下さいましたね。ありがとうございました。
美術館には開場30分前には着きました。まだ並ばなくて良さそうだったので、外のインスタレーションで遊ぶ…。

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| 「夏の家」
秘密基地にしたいような空間です。
頭上注意。(頭をぶつけました。)
ねえさん、今度は風邪気味ですか?
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10時。2番目に並んだ我々はスムースに入場。
ベーコン展の他、MOMAT、
東京オリンピック1964デザインプロジェクト…
凄い密度です。
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メインであるベーコン展の感想です。しばしその記事の見出しなどで謳われる残虐性や凶暴性のようなものを、不思議と感じませんでした。
心地良い刺激。(茂木健一郎氏曰く、「扁桃体を直撃する」―芸術新潮4月号より。)
私は見たことはありませんが、人の内部にある肉の赤は鮮烈で美しいのだとか。それに近い危うい美しさなのか。
そのスキャンダラスな私生活を知ると妖しさは倍増するかも知れませんが、私には妖しさよりも微妙な体温みたいなもの、生温かさが心地良かったです。
単に技術だけを取ってみても、絵の具という色材を用いて「愛撫する」ような表現(特に人物の表現において)からは優しささえ感じました。
図録では解らないマチエール!教皇の時代はあっさりしていたみたいですが、キャンバス地を残していたりしてその上の絵具にマチエールがありました。
…って当たり前か。あとやはり本物にしかない大きさと、額縁です。金の額縁。金が悪趣味にならない。そしてガラスの向こうに一定の距離を持つ作品達。
不思議と抵抗はなく、画家の意図する統一感の演出も自分なりには理解できたのではないかと思います。
私の大好きなインノケンティウス10世や、赤い三幅対(1944年の第2版)はありませんでしたが、いつか実物を観てみたいです…。
土方巽やフォーサイスの身体表現、あと、本人映像に流れていた音楽はマリア・カラスでしょうか(違ったらごめんなさい)、
全体が会場をより幻想的な、崇高な空間に仕上げていました。
コレクション展やオリンピックもとても良かったです。教科書に載っている作品や昭和レトロがいっぱいありました。またしても時間が過ぎてゆく…。
工芸館は行けなかったので残念ですが、実はもう一箇所行かねばならぬところがあったのです。
渋谷に到着。お目当ては渋谷ヒカリエです。ここの7Fでムンクカフェが期間限定でやっているという情報を、姉が入手したのです。
叫びツアーの後半にはふさわしすぎるコースです(こじつけ?)。雨が降ってきましたが、渋谷駅は活気がみなぎっていました。
ムンクカフェのお店。
座席数が多いので並んでも回転が速いです。
すぐに座れました。
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| 右、ランチプレート。
ここで一句。
北欧の空気の中でアジアンを(笑)。
左、叫びカフェラテ〜!!
これがお目当てでした。
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叫ぶガトーショコラ!
叫ぶ飴ちゃん!!
残念ながら、復興支援の
起き上りムンクは売り切れでした。
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| おまけ画像です。
左のお店が物凄く混んでいました!調べてみたらこだわりのお店のようで…。
帰りの新幹線は何となく、ベーコンっぽい色でした。
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まとめ。
ベーコンのビジュアルがかっこよかったのと(マグネット買っちゃいました)、アトリエが神懸かっていたのも印象的でした。
でも、アトリエ以外の居住空間はちゃんと整えていたようです。←少し安心。
扁桃体もそうだけれど、知的好奇心も大いにくすぐる作品と人物だと思います。一度で全部解らないからこそ、知りたくなるような。
まだまだ解らないことが多すぎますが、1日に少しでも、知的財産を増やして行きたいものです。
私にとってベーコンの魅力はやはりその叫ぶ口にあります。造形的なものに一番惹かれますが、深読みをすると…。
ヒトという生き物が叫ぶという行為は恐怖や痛み、悲しみ、もしくは歓喜などによる昂奮の果て。
つまりは抑えきれない衝動によるものではないでしょうか。
頻繁に起こる現象ではないけれど、そこには、ヒトの感情のギリギリのところが溢れて解放された、
個々の内側だけではおさまり切らない、他者の心に訴える力があります。私は脱力系の絵しか描けないので、余計に惹かれるのかも知れません。
ムンクカフェはパネル展示のような感じでした。お店の奥は白夜という感じの演出がされ、もはや叫ぶというよりは、くつろいでしまいました。
というわけでタイトルにこじつけ感があり大げさだったかも…、お詫び申し上げます。
フランシス・ベーコン展 2013年3月8日(金)− 5月26日(日) 東京国立近代美術館
Cafe MUNCH (カフェ ムンク)2013年4月10日(水)− 4月23日(火)渋谷ヒカリエ7F FLOWERS Common
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